クライアントインタビュー

「学生とはこういうものだ」
という固定観念を
客観的な視点で覆してくれました

福岡デザイン専門学校

福岡市天神エリアにある、デザイン・クリエイティブの専門学校。建築・インテリアデザイン専攻、家具・プロダクトデザイン専攻、しくみ・地域デザイン専攻、グラフィック・編集専攻、Web・映像専攻の5つの専攻があり、幅広い視点からデザインを学べる。問題の本質をとらえ、鋭い感性と合理的判断で、最善の解決ができる人材を育成している。2021年に創立25周年を迎え、第一線で活躍する多くの卒業生を輩出し続けている。

話を聞いた人

福岡デザイン専門学校 広報戦略部部長

田所 恵介さま

プロジェクト概要

業種
学校
期間
2018年〜現在
目的
入学者数の増加、学校の名門化
成果物
Webサイト、LP、送付物、イベント改善、 LINE運用、ノベルティグッズなど

学校が伝えたい順ではなく、
学生が知りたい順のコンテンツ展開

弊社との最初の仕事は、Webサイトのリニューアルです。まずは、リニューアルの目的と経緯を教えていただけますか?

田所:2017年に私が着任し最初に着手したのは、広報ツールや情報発信ツール全体の整理とリニューアルです。特にWebサイトは、旧来型の情報発信しかできておらず、学生募集でも遅れをとっていました。学生の行動様式として、スマホからのアクセスが当たり前になる中、一刻も早くスマホファーストのサイトを作ることが必要で、全体の広報予算の9割をWebに投入してリニューアルを進めました。その中で数社から提案を募り、5iveさんの提案が一番可能性を感じて、選ばせていただきました。

具体的に、提案内容の何が良かったのでしょうか?

田所:当初、学校内で考えていた改善点は、コンテンツを強くし、滞留時間を延ばし、それによってSEOで上位表示を目指すこと。しかし5iveさんの提案は、その前段階にある、課題の整理からしていただきました。

例えば、学生に対するアンケートです。在校生を対象にアンケートを行い、「なぜ当校を選んだのか」「入学前にどんな不安があったか」などを洗い出していただきました。そこから、不安を事前に解消したり、入学後の自分をイメージできるコンテンツを作りましょうと提案がありました。リアルなマーケティングから生まれたコンテンツですから、私たちも納得できます。私たち学校側はいつの間にか「学生とはこういうものだ」という固定観念にとらわれてしまいますが、それを客観的な視点で整理いただけて助かりました。

ターゲットの性質を明らかにするために在校生を対象としてアンケートを実施。すると、入学前のリアルな不安や学校選びで知りたいポイントが明確に。高校生と大学生・社会人のそれぞれに特化した不安解消コンテンツの作成につながった。

入学前の期待感を作り、
学生との結びつきを強める

リニューアル後に変化はありましたか?

田所:確実に変わりましたね。リニューアル初年度(2019年度)は、スケジュールに余裕がなく、全体のフレームとトップページの刷新、一部の新規コンテンツ追加にとどめたリニューアルとなりましたが、それでも入学希望者はリニューアル初年度で前年比1.4倍にまで増加しました。以後、3年かけて隅々までリニューアルとコンテンツの拡充を行なっていますが、毎年安定して入学者を獲得できています。専門学校は学生募集に苦労するところが多い中で、この結果は大きな安心材料になっています。また、事前に私たちの学校をよく理解して、学校に期待して入学してくれるようになった実感があります。これは、予想していなかった嬉しいことでした。

サイトリニューアル以外に、どんな施策を行いましたか?

田所:5iveさん主導で行っていただいた取り組みのひとつに、公式LINEアカウントの開設があります。サイトのリニューアルは順調でしたが、コロナ禍によりオープンキャンパスができず、入学意向者との結びつきが作れないことには不安を感じていました。そこで、以前立ち上げておきながらも活用できていなかったLINEを使い、入学意向者と繋がる手段の強化を提案いただいて、早速進めることになりました。

公式アカウントと友だちになると、在校生の日常やオープンキャンパスなどの情報が定期的に送られてくるほか、入学に関する悩みをスタッフに直接相談できる仕組みを構築。問い合わせハードルが下がり、コロナ禍での来校者獲得につながっている。

LINEの活用は他社でも提案があると思いますが、5iveの提案の特徴は何でしたか?

田所:Webサイトの時と同じで、ユーザー行動の導線をきっちりと設計し、最短距離で情報に辿り着けるようになっていることですね。入学意向者の求めていることを、よく理解いただいていると感じます。また、オペレーションのしやすさや、こちら側の運用負担の軽減をいつも考えてくださる点も、ありがたいですね。いい提案も、対応する人がいなければ回せなくなります。立ち上げたまま実質は放置状態だったLINEも、今はこちらの負担が大幅に増えることなく運用できています。

それは、誰のためのデザインか

5iveが制作するWebサイトやLINEコンテンツのUIについて、印象を教えてください。

田所:多くのデザイナーは、アウトプットでカッコつけたがるものです。私もデザイナーですから、デザイナーの気持ちはよくわかります。でも、5iveさんは、「何のためのカッコよさか」「それは今ここに必要なものか」を、いつも冷静に判断したクリエイティブが上がってくる印象です。つまり、ちょうどいい具合に、最適化されているのです。これが、多くの人にとって違和感なく、親しみを感じるサイトができている要因なのではないでしょうか。

5iveとの3年に渡る取り組みを踏まえて、次の課題や施策について教えてください。

田所:コロナの時代になり、オンラインでの授業も定着してきました。雇用の流動化も進んでいます。専門学校にも社会人がますます増え、学ぶこと自体がもっと多様になっていくでしょう。専門学校はもちろん、教育の現場は今、大きな変革期にあるのです。デザインの領域は、実地で手を動かして学ぶ必要がまだまだ多い分野ではありますが、デジタルの方が効果的にできる領域もあります。そういう時代にふさわしいデザイン教育とは何か。そこを、デジタルの力で、学ぶスタイルを変えていけるか。最近の5iveさんとの定例ミーティングの中で、いつも議題になるテーマです。これまでは、5iveさんが持っている力を主にプロモーションの分野で活用いただき、その柱を作った3年間でした。そしてこれからは、専門学校そのもののデジタルトランスフォーメーションに、ともに取り組んでいければと、思っています。

本日はどうもありがとうございました。

取材・文
佐藤渉

担当者コメント

吉嵜 調

吉嵜 調

第一線で活躍するプロの講師が数多く在籍する福岡デザイン専門学校さまは、質の高いデザイン・クリエリティブを学べる数少ない学校です。しかしその魅力がターゲットにうまく伝わっておらず、長年入学者数に伸び悩み、だんだんと疲弊している状態でした。

そこでリニューアル初期は少ない労力で入学希望者を増やすにはどうするといいのか?という視点でWebを中心とした施策を実行していき、リニューアル初年度の入学希望者は前年度比1.4倍を達成しました。

教育の形が多様化してきている今、福岡デザイン専門学校さまは次のステージに進もうとしています。学校や教育という枠を超えた未来の学校のカタチとは何か?私たちが得意とするしくみ作りやDXの力で、他をリードする存在を目指していきます。

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